escape実験区

グッド・バイ, ハロー, スロー・エモーション

リミッター

打ちのめされて 途方に暮れて

どうしようもなくって

山手線 揺られながら

きっと情けない顔してる僕に

奮い立てと告げる

彼は姿を現した

 


諦めと無知と愚かさ交わる

何も言えず 抗いもしない

あの時の牢獄で

瞳に光宿したまま

たったひとり

彼は叫んだ

違う 違う 違う 違うと

叫び続けた

諦めなかった

 


倒れたなら立ち上がればいいんだ

簡単なことだと彼は言う

そんなにうまくいくものだろうか

戸惑いながらも僕も言う

立ち上がることだけ考えるんだと

 


何かの拍子についたため息

そんなことする必要なんて

ほんとはないんだぜって彼は言う

そうだよなって僕は応じる

 


リミッター

いつの間に外れかかってて

せめてもの僕は

彼が外へと出られるように

重たい足かせ取っぱらって

少しずつ きっと

彼は僕となり

少しずつ きっと

世界を創りかえてゆく